佐和隆光さんが死去：享年82歳、死因は慢性心不全だった
佐和隆光さんが2025年5月17日に亡くなられたというニュースが報じられ、多くの人に驚きと哀しみが広がっています。
享年82歳、死因は慢性心不全とのことです。
佐和隆光さんは、滋賀大学長や京都大学名誉教授として活躍された、日本を代表する経済学者の一人です。
その生涯は、学問と教育に真摯に向き合い続けた知の巨人として、多くの人に影響を与えてきました。
ここでは、佐和隆光さんがどんな人物だったのかを改めて振り返るとともに、彼が遺した学問的・社会的な足跡をたどっていきます。
死去は2025年5月17日、自宅で静かに
佐和隆光さんが亡くなられたのは、2025年5月17日のことです。
場所は京都市内のご自宅で、慢性心不全により静かに息を引き取られたと報道されています。
このニュースを最初に見たとき、私はシステムエンジニアとして、言葉にし難い思いを抱きました。
佐和さんは経済の専門家ですが、「データサイエンス学部」を日本で最初に設置したことでも知られており、情報系の人材育成にも大きく貢献されてきたからです。
実際、滋賀大学のデータサイエンス学部の設立は、IT業界でも「教育と現場の橋渡し」として非常に評価されていました。
私自身も、採用の面接で「データサイエンス学部出身」の若手と何人も会った経験があります。
その度に、佐和隆光さんのような教育者の存在が、業界を根本から変えていっていると感じたものです。
佐和さんの死去は、経済界だけでなく、情報社会を生きるすべての人にとっての大きな損失だと思います。
慢性心不全とはどんな病気？高齢者に多いその実態
慢性心不全とは、心臓のポンプ機能が徐々に弱まり、血液を十分に全身へ送れなくなる病気です。
高齢者に多く、長年の生活習慣や加齢、ほかの病気が原因で発症することが一般的です。
佐和隆光さんも82歳という年齢を迎えており、長年にわたる過密な研究生活や社会活動が体に与える影響は少なくなかったのかもしれません。
慢性心不全は、静かに進行することが多く、発見されたときにはすでに重症化しているケースもあります。
私はSEとして、40代の今も深夜作業や運動不足が多く、実は年１回の定期検診で「再検査」とされたことがありました。
それ以来、睡眠と食事のバランスを少しだけでも意識するようにしています。
佐和隆光さんの訃報を聞いたとき、「健康を保って長く活躍する」ことの難しさを改めて感じました。
佐和さんが生きていたら、まだまだ教育界に新しい風を吹かせていたはず。
その存在の大きさがひしひしと伝わってきます。
佐和隆光さんの学歴：東大出身の秀才だった学生時代
佐和隆光さんの学歴を調べていくと、やはり「天才」と呼ばれる理由がわかってきます。
東京大学出身というだけでなく、その前の学生時代も非常に優秀だったようです。
ここでは、中学・高校時代のエピソードと、東京大学での学びについて詳しく紹介していきます。
出身高校は京都府立桃山高校！中高時代のエピソードも
佐和隆光さんは、京都府立桃山高校の出身です。
地元でも進学校として知られており、優秀な学生が多く進学する高校です。
私は技術系の高校出身なので、文系分野でここまで活躍する人を見ると本当に尊敬しかありません。
数字に強いだけでなく、それをどう社会に活かすかという視点を持っている点が、佐和さんのすごさだと思います。
学問の世界で本気で勝負したいという思いが、この頃からすでに芽生えていたのかもしれませんね。
東京大学で経済学を学ぶ！大学院修士までの歩み
佐和隆光さんは東京大学文科一類から、経済学部へと進学しました。
1965年に卒業し、その後は東京大学大学院経済学研究科の修士課程へ進みます。
当時から「計量経済学」という高度な分野に取り組んでおり、統計や数理モデルを用いた経済分析に強い関心を持っていたそうです。
修士修了後、すぐに助手として教壇に立ち、研究の世界へ本格的に入っていきました。
この時期に培った理論的なアプローチは、その後の著書や教育方針にも色濃く反映されています。
私たちのようなITエンジニアが扱う「データ」や「数式」にも通じる視点があり、個人的にとても共感できます。
経歴がすごい！京大教授から滋賀大学長までの足跡
佐和隆光さんは、ただの学者ではありませんでした。
研究者として第一線で活躍するだけでなく、大学経営や人材育成にも情熱を注いできた人物です。
ここでは、京都大学での活動と、滋賀大学での改革についてご紹介します。
京都大学での研究と教育：経済学界を牽引した存在
佐和隆光さんは、京都大学経済研究所に長く在籍し、教授・所長として活躍されました。
計量経済学をベースに、科学哲学や環境経済学、さらにはエネルギー政策など、多岐にわたる分野で発信してきました。
特に印象的なのは、「数字で語る経済学」という立場を徹底し、感覚的な議論を避け、事実に基づいた理論展開を好んだところです。
これはまさに、エンジニア的な思考に非常に近いと感じます。
大学の講義だけでなく、環境審議会や政府系の委員も務め、政策にも積極的に関与されていたのが特徴です。
京都大学時代の教え子には、今の経済界を支える人物も多数いると言われています。
データサイエンス学部設立で滋賀大学を変えた人
2010年に滋賀大学の学長に就任した佐和隆光さんは、日本で初めて「データサイエンス学部」を設置しました。
これは当時、大学業界では革命的とも言える決断でした。
データを活用した社会課題の解決を担う人材を育てるというビジョンは、現在のIT・AI業界でも非常に重要視されています。
実際に弊社でインターンを受け入れた滋賀大学の学生は、他大学と比べてもデータ分析の実践力が高く、「教育が違う」と感じさせられました。
佐和さんのような先見性のある学長がいたからこそ、大学教育の常識が変わったんだと思います。
佐和隆光さんの著書まとめ：経済学に革命を起こした名作たち
佐和隆光さんの功績を語るうえで欠かせないのが、その膨大な著作です。
専門書から一般向けまで、幅広い層に響くメッセージを送り続けてきました。
ここでは、その代表的な著書をいくつかご紹介します。
初期の名著「計量経済学の基礎」など専門書の数々
1970年に出版された『計量経済学の基礎』は、学界でも非常に高く評価された一冊です。
この本をきっかけに、佐和さんは「経済分析の第一人者」として広く知られるようになりました。
その後も、『数量経済分析の基礎』『回帰分析』『経済学における保守とリベラル』など、専門的ながらも理論と実務をつなぐ内容が多く出版されました。
数式や統計モデルを扱うこのような書籍は、今でこそ当たり前ですが、当時は非常に先進的でした。
私も昔、回帰分析を勉強していたときに佐和さんの考え方を参考にさせていただいた経験があります。
数式だけでなく「社会とどう結びつくか」を語る経済学者って、本当に貴重です。
一般向けにもヒット多数！岩波新書などから幅広く出版
佐和隆光さんのもう一つの顔が、一般読者向けの啓発書の執筆です。
中でも『経済学とは何だろうか』（岩波新書）は、非常に有名で多くの人に影響を与えました。
複雑な経済の話を、やさしく・わかりやすく伝える力に長けていたのが佐和さんの魅力でもあります。
このあたりは、技術系の本を書く人にも通じるところがあって、私もすごく学ばせてもらっています。
幅広い読者層に向けて発信し続ける姿勢が、佐和さんの真の教育者としての強みだったのではないでしょうか。
家族・人柄・人間性：佐和隆光さんを語るうえで欠かせない一面
経済学者としての功績はもちろんですが、佐和隆光さんは人としても非常に魅力的な人物でした。
知的で誠実、そして温かみのある人柄は、教え子や同僚、家族の中で今も語り継がれています。
ここでは、そんな佐和さんの家族背景と人間性にフォーカスしていきます。
父は美術史学者・佐和隆研さん！知的一家で育った環境
佐和隆光さんの父は、美術史学者で密教学者でもあった佐和隆研さんです。
京都市立芸術大学の学長を務めたこともあり、芸術と学問の融合を大切にしていた人物だそうです。
そんな家庭に生まれ育った佐和さんは、幼いころから本や哲学に触れる機会が多かったようです。
このような環境が、佐和さんの知的好奇心や論理的思考力を自然と育てていったのかもしれませんね。
学者の家庭＝堅苦しいイメージを持たれるかもしれませんが、実際は会話の多い、温かい家庭だったとも言われています。
私自身も、エンジニアとして小学生の子どもに技術の話をすることがありますが、家庭の中で知的な話題が自然に出てくるって、やっぱり素敵だなと思います。
教え子・学界の声から見える、佐和隆光さんの人柄とは？
佐和隆光さんの教え子たちからは、「厳しくも優しい」「常に本質を問う人だった」といった声が多く寄せられています。
特に学生に対しては、肩書や成績ではなく、その人の「考える力」や「志」を見ていたそうです。
一方で、講義の後には気さくに雑談に応じる姿もあったとのことで、近寄りがたさとは無縁の教授だったようです。
この“知と優しさのバランス”が、佐和隆光さんの最大の魅力だったのではないでしょうか。